神の贈り物

原子力は核兵器という最も不幸な形で登場する。
原子力の平和利用として原子力発電を図るが、スリーマイル・チェリノブイリ・福島など大きな事故を起こし、技術面での絶対の信頼を勝ち得ていない。
原子力はトイレのないマンションと言われて使用済み燃料の処分にも課題を残す。

絶対安全炉と放射能の低減化と減容化の技術を確立しなければならない。

我が国は高速増殖炉もんじゅと六ケ所再処理工場を中核とする湿式・酸化物・高速炉を取り入れ核燃料サイクルを計画するが高速増殖炉もんじゅは廃炉になり、青森県の再処理工場も竣工時期から25年経過した今も稼働時期が見通せない。
これが核燃料サイクルのFACT計画の主概念の実情である。

核兵器を作れる国の同じ技術を導入したことに根本的な間違いがある。

乾式再処理・金属燃料・高速炉の技術はFACT計画の副概念に位置付けられている。
この技術はすでに計画が進められていた主概念の陰に置かれ、棚上げされた技術だ。

主概念が見通せないなら、副概念を主概念にしなければならない。

乾式再処理はキューリウムを含み、原爆にはならない核不拡散の再処理技術である。
金属燃料は高温になると熱膨張により、核反応がとまり自然停止する。絶対安全を確保する燃料である。
金属燃料を使った高速炉は燃料交換不要で、30年放射性物質を燃やし尽くすので、最終処分も容易である。
経済性はフランスのスーパーフェニックス120万Kwと東芝の4S 5万KWの比較では、通常大型炉が優位とされる1kw単価も小型炉が優位となる結果が出ている。フランスが大型炉から撤退した理由もそこにある。2万Kwの高速炉A4Sは単価2円となるが、モジュール化が前提である。

乾式処理・金属燃料・小型高速炉のサイクルは実証に値する。

この技術はすでにアメリカアルゴンヌ研究所EBR-2で実証されたものであり、1985年から1992年にかけて日本に技術移転されており、その技術のすべてが日本にある。
気候変動により世界各地で発生する災害は、食料とエネルギーの逼迫を現実化する。

この技術が実現できれば人類はエネルギーから解放され、豊かに、平等に、世界平和に一歩近づく。原子力は人類のために大逆転を演じることになる。

NPO法人 革新的原子炉推進協議会
理事長 田中 敏幸

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